エビデンスは、証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語 “evidence” に由来する外来の日本語です。
ここでは当農園における様々なエビテンスをご紹介いたします。
生産・加工と一貫して、安全で安心な日本茶をはじめとした農産物及び派生する加工品を、日本国内をはじめ、
全世界へのお届けしています。
以前より、農薬の使用や化学肥料の使用など、食の安全の重要性がクローズアップされて久しいですが、有機農産物は、その種苗の仕入れ先から、農産物の生育に使用する農薬や化学肥料などを厳正にチェックし、有機農産物及び加工品と認定機関が認めるもののみ、有機JASマークの使用が許可されるものです。
当茶園で作られる有機緑茶をはじめとした各農産物は、日本国内だけでなく、香港やヨーロッパに輸出されております。
その中でも、特に食の安全に世界一厳しいと言われるドイツに輸出させていただいていることは、たいへんうれしいことです。
現在、有機認証を受けている日本国内の有機農地は、全農地に占める割合で約0.23%にとどまり(2010年現在)、世界でも上位に位置する有機農産物生産国であるオーストリアの15.87%にくらべても、有機農産物普及が進んでいない現状があります。
ちなみに、中国の有機農産物生産における農地の比率は、全農地に対して約0.34%です。実は、有機農産物普及において、日本は中国より進んでいないのです。
有機JASの認証を受けていることと、実際農薬などが検出されるかどうかは、また別次元の話です。当茶園では、残留農薬だけでなく、残留放射性物質の検査や、細菌・重金属類の検査を行っております。
また、ヨーロッパ各国におきましては、緑茶の成分が様々な疾患に有効であるという調査結果も踏まえて、その他含まれる成分についての立証検査を行っております。
2011年3月11日の震災に端を発した放射性物質問題。
当茶園としましても、対象地域ではないのですが、自主検査を行っております。
国内におきましての検出限界値は、「10bq/kg」となっておりますが、当茶園では、茶抽出水と茶葉と両方で検査を行いました。提出限界値及び数値は以下に示します。
茶葉抽出水 | |
---|---|
放射性ヨウ素131 | 検出されず |
放射性セシウム134 | 検出されず (<1.82) |
放射性セシウム137 | 検出されず (<1.80) |
茶葉 | |
---|---|
放射性ヨウ素131 | 検出されず |
放射性セシウム134 | 検出されず (<5.18) |
放射性セシウム137 | 検出されず (<4.89) |
2012年7月27日検査 検査機関 「放射能市民測定室九州 Qベク」
※上記()内数値は、「提出限界値」となっています。
茶葉抽出水の放射性セシウム134を例にすると、検出限界が1.82の値となるので、少なくとも、その値以上の放射性セシウムは検出されなかったことを立証するものです。
国は10bq/kgを限界値と定めておりますが、当茶園では、自主的になるべく精度を確保して検査実施しております。
現在、日本食は全世界的に「健康食」として大変なブームとなっております。
その中でも、特に日本茶は、様々な疾病に効果的とされる研究結果も出てきており、大きな注目を浴びています。
緑茶と言えばやはり「抗酸化作用」。緑茶に含まれるカテキンが、老化防止やガン抑制に効果的とされる諸説はありましたが、その裏付けとなるエビデンスを当茶園ではしっかりと数値として確認しております。
ただ、まだまだ緑茶の研究は途上にあり、これからの各研究機関での研究成果に期待したいところです。
緑茶にカテキンが含まれていることは、多くの皆さんが知るところとなっています。カテキン類は大きく8種類に分かれており、その中で約50%(当茶園のお茶は52%以上)を占める抗酸化力の高いカテキン成分が、EGCG(エピガロカテキンガレート)と言われる成分です。
EGCGの有効性は、多くの大学や研究機関で研究されており、今後ガンなどの様々な疾病への有効性が立証されていくことになるでしょう。
緑茶は、たいへん抗酸化力の高い植物です。SODとは、スーパー・オキシド・ディスミュターゼの略で、日本語では「スーパーオキシド消去活性」と言います。
簡単に説明すると、「活性酸素を除去することのできる力もしくはその値」のことを指します。数値では「1.6×105(160,000)unit/g」という値です。
この数値が高ければ高いほど、抗酸化力(酸化を抑制し、体を守る力のこと)が高いと言えます。
例えば、一般的なほうれん草ですと、このSOD値は「約3,900unit/g」、たいへん抗酸化力が高く青汁の原材料にもよく利用される明日葉で「約30,000unit/g」です。
一般的に抗酸化力が高く、活性酸素を除去してくれる明日葉と比較しても、その差は歴然としています。
ちなみに、一般的な緑茶と比較しましたが、そのSOD値は「70,000unit/g」でしたので、約2.3倍のSODの値となります。
人の体は、様々なストレス(食事・運動・仕事・呼吸・人間関係)にさらされています。
その中で、体は日々酸化するため、酸化しにくい体を作るためには、なるべく抗酸化力の高い食べ物を摂取する必要があります。
当社では、定期的に茶製造に使用する水に関しましても検査を行っております。
その基準は、水道水の基準よりはるかに高い基準である「ミネラルウォーター」の基準にて行っており、その安全性を担保することにより、より安全なお茶を提供させて頂くようにしております。
※すべての項目で、ミネラルウォーターの基準を満たす検査結果となっております。
当社では、安全性が担保されている水を、茶製造に使用しておりますが、それだけにはとどまらず、その水を再度ろ過機にかけ、特に、硝酸態窒素ならびに亜硝酸態窒素を限りなく除去するように努めております。特に、亜硝酸態窒素は、人体へ少量でも影響があることが近年の研究で明らかとなり、平成26年4月1日から亜硝酸態窒素の水に含まれる量について、より厳しい基準が設けられました。当社は、有機JAS認定を取得し、農薬及び化学肥料は一切使用しておりませんが、近隣茶農家では、いまだ多くの硝酸態窒素を用いて茶生産を行っており、飛散物質及び土壌を間接的に関した硝酸態窒素による汚染、そして使用する水に関しましても、その影響を無視できないため、こちらも定期的に検査を行っております。検査結果では、硝酸態窒素2.3mg/リットル(<10mg/リットル)にてミネラルウォーターも基準を満たすもので、また亜硝酸態窒素に関しましてはN/D(検出せず※基準は0.04mg/リットル以下)です。
当社では、使用する水だけでなく、有機茶葉自体に含まれる硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素に関しても定期的に検査を行っております。通常は、お茶は、茶葉を煮出して使用するものですが、当社では「茶葉そのものに含まれる硝酸態窒素の量」に換算し算出しております。検出量は、0.8mg/100g(1㎏換算で8mg)で、例えば、EUの、ほうれん草の基準値(この数字以下に抑えなさい)である硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の量が、3000mg/1㎏(10月~3月収穫分)と比較しても、その量は2.7/1000(ほうれん草に含まれる硝酸態窒素基準値の約0.27%の量)で、限りなく少ない量と言えます。硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素が、がん発生のひとつの原因だとして世界的に言われていることに異論もあるようですが、当社では、放射性物質同様、その可能性が完全に払拭できないものは、しっかりと調べてお客様へ開示することにしております。
※硝酸態窒素は、国内だけでなく全世界的に一般的に使用されている施肥に利用される化学肥料に含まれる成分です。一般的に、植物の成長には窒素分が必要なため、多くの農家で利用されています。その効果は、植物の成長だけでなく、葉っぱの色を濃くしてくれたりするため、販売においては、消費者は、やはり濃い色の野菜やお茶を好む傾向にあるため、売上の確保に直結する極めて有効な手立てです。ただ、当社では、自然生育を一番に考えているため、施肥が必要な場合でも、有機肥料(牛・鶏などの動物性物質は用いません)を用いるなど徹底しております。
当茶園は、昭和21年より実生栽培にて、日本に古くから存在している「ヤマチャ(在来種)」を元に日本茶栽培を始め、昭和53年から完全有機、無化学農薬・無化学肥料栽培へ移行しました。
「お茶は、虫も食べないくらい丈夫な植物」と昔から言われていますが、国内のみならず、海外の多くの茶農園が、農薬や化学肥料によって被害を受けています。
また、味や収穫量を高くするように人工的に作られた過度な改良品種も、在来種のお茶では考えられないくらいの農薬や化学肥料を必要とします。
品種改良を行わず、農薬や化学肥料を使用しないからこそ、お茶本来の効能を享受できるのではいかと当茶園では考えております。